Category Archives: 旅、季節の写真

山里の息吹 若冲の心

前回、黄檗売茶流の茶摘祭に参加したことお話致しましたが、
この煎茶道の祖が、茶神、売茶翁です。
彼は、黄檗宗という禅宗の高僧でしたが、当時薬として珍重された茶を安値で売り歩きながら、貧しい人たちに禅の教えを説いて歩いた人物でした。

FullSizeRender-2

彼に弟子入りし、幾度もその姿を描いたのが伊藤若冲です。

描いた対象のほとんどが自然の生き物で、人物は売茶翁以外ほぼ描いていなかったことからも、
いかに若冲が彼を尊敬していたかがわかります。
高僧としての名利を求めず、貧しい人に教えと癒やしを届けることを選んだその生き方に、
ただひたすら自然の姿を描き続けた求道者、若冲の心が響き合ったのでしょうか。

そして若冲は、仏の世界を表すものとして、あの有名な動植綵絵を描きます。
仏画には、通常仏の姿や僧の姿などが描かれますが、若冲の動植綵絵は、すべてが自然の動物や植物で描かれています。

東京で観て参りましたが、あまりの美しさと細密で繊細な表現に圧倒されました。

IMG_6480-1

若冲が全身全霊で自然と向き合い、その力強さ、美しさ、神秘、躍動する生命力を捉え、表現したことが伝わってきて、言葉が出ませんでした。
彼は、この30枚の動植綵絵を描く前に、何故か京都の街から姿を消し、
丹波の山奥に2年ほど隠棲していたそうです。
ただ一人、ひっそりと山の中で暮らしながら、自然を見つめ、その鼓動に耳を澄ませていたのでしょうか。その静かな内省の時を経なければ、あの華麗な動植綵絵ができあがることは無かったのかもしれません。

今、私が暮らしているのは丹波の入り口の辺りです。
京都の町中と違って、華やかさはほとんどありませんが、
自然の息吹をとても強く感じることが度々です。
IMG_6265-1
ソメイヨシノはあまり見かけませんが、
春の黄緑色の山に、のびのびと桃色の山桜が咲く姿は、何にもまして心躍りますし、
初夏の新緑の中に、山藤の紫がくっきりと浮かぶ様子は、心が透き通っていくような清々しい風情です。鶯の声も高く澄み渡った空に響きます。

少しでも若冲の心を感じられたかも、と思う初夏の山里の日々です。

八十八夜

連休に入りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。。

ブログを長くご無沙汰してしまいました。
また私ごとで恐縮ですが、今年も近しい者を天に見送る春となりました。
そのため、この春は度々鎌倉に帰っておりますが、気功のレッスンやアロマは
申し訳ありませんが、お休みさせて頂きます。
夏8月の開催を考えておりますので、もうしばらくお待ちくださいませ。

といっても、少し一息ついた今日、
思い切って滋賀県に行って参りました。
八十八夜にあたる今日、滋賀県の坂本というところで、お茶の神事が行われました。
坂本には、平安時代に最澄が茶の実を持ち帰って日本に初めて播いたという茶園があり、
そこで茶の新芽を摘み、参道を歩いて日吉大社へ、その茶を捧げる儀式でした。

私が鎌倉で煎茶道を教えて頂いた黄檗売茶流の唐木岱仙人先生や、中井霜仙先生などが主宰され、幸運にもこの度参加させて頂くことになりました。

茶の新芽のみずみずしい緑、五月を迎えた日吉大社は新緑に萌え、
澄み渡る青空、そして琵琶湖を見下ろす丘には、清々しい風がそよいでいました。

祝詞を唱える宮司様の声が、時々不思議な響きを帯びて、
こうして祈りと捧げ物が天に届けられるのかな。。と思いました。

DSC_0598

心の落ち込むこともあったこの春でしたが、
今日の一日が、心を清らかに鎮めてくれたような気がします。

明日からまた鎌倉に参りますが、5日にはまた京都にトンボ帰りです。
また皆様にゆっくりとお目にかかれるときを待ちたいと思います。

最後に、京都の山里の風景、河をおよぐたくさんの鯉です。

13083171_1110893595641472_3311696032930278120_n

山の桜、京の桜

12140723_1096208557109976_1523110102528846547_n12923346_1096208543776644_4094870980917126439_n

桜もそろそろ見納めになってきましたね。

上の二枚は、学校のある山に咲いている枝垂れ桜。
雨の中、山の霧を背景に、けなげに咲いていました。

対して下の2枚は、京都の真ん中、平安神宮の枝垂れ桜。
まさに京の雅びを体現しているような華やかさ。

DSC_0563 DSC_0507

両方とも京都、でも醸し出されるものがとても違いますね。。

もうすぐこの美しい季節も終わり。
人の命のように、一瞬の輝きを放って去って行きます。
残り一日一日を大切に過ごしたいと思います。

京の花園

DSC_0166DSC_0222 DSC_0205DSC_0234DSC_0224 

春爛漫の京都です。

一番上のお城の写真は、うちから近い山の上の公園。
その他の写真は、京都駅から10分の東本願寺の涉成園というところ。

どちらも用事のついでに、少し足を伸ばしたのですが、
そこはまさに花園でした。

言葉はいらないですね。。

ひと時を味わえたことに心から感謝。

椿のもとで

IMG_5185IMG_5201IMG_5169_2IMG_5176_2IMG_5217

 

北鎌倉のたからの庭、10日ほど前の写真です。

深紅の花は、ここのシンボルツリー、「世界一の椿」と皆が呼んでいる椿です。
大雪で枝が折れ、樹形は変わってしまいましたが、たくましく生き抜き、
春に美しい花を披露してくれます。

深紅の椿は、たからの庭の裏山の方にあります。許可をいただき、その椿がある上の庭まで昇り、
そこで気功をさせていただきました。春の陽がさんさんと注ぎ込み、皆で身体いっぱいに光を受けて、春の気をチャージしました。

濁気排泄法という呼吸法をすると、頭上の気がもわもわと強く感じられました。
そう、この春は、様々な呼吸法をレッスンにとりいれさせていただきました。

他に洗脳服気法や、腎呼吸….など、ご紹介しました。
呼吸は、気功ではいつも重視され、私の行ってきた動功(太極拳みたいに動く気功)でも
もちろん常に意識して行っていますが、
静功(立ったり座ったりしてあまり動かずに行う気功)では、特に呼吸に意識を向け、
心を静め、呼吸が身体に働きかける様子をじっくり味わっていきます。

たかが呼吸、されど呼吸。
意識と無意識の橋渡しの役割をするとも言われます。

呼吸法を定期的に行うことで、体調だけでなく、心の調子を整えていくこともできます。

これからも時々レッスンの中でご紹介させていただきますね。

次回鎌倉でレッスンできるのは、おそらく(五月か)夏になると思います。
少し時間があいてしまいますが、決まりましたらまたHPやブログ、メルマガなどでご案内させて頂きます。

京都御苑の桜

DSC_0048

DSC_0101 DSC_0098

鎌倉の椿のお話もと思いつつ、
この週末、京都で出会えた桜のご紹介です。

法事の関係で京都のとあるお寺に参る途中、
近くの御苑で桜が満開になっているとの情報が。

まわりのソメイヨシノはまだほとんどが1−2分咲きだったので、
半信半疑で足を伸ばしましたら、
息を呑むほど美しい、満開の糸桜が現れました。
まるで天女が舞い降りたかのようです。

隣の桜は別の種類、少し濃いピンクで、少女の様な愛らしさ。
こちらもちょうど満開を迎えたところでした。

桜を見るために京都にきても、なかなかこんな瞬間には出会えないのに。
そして参ったお墓でもびっくりの出会いが。。。等々

今は天国の住人となったあの人たちのサプライズに違いないと
現世の住民たちで笑いあいました。

人を見送ることの続いたこの何年、
京都の雅な桜を見ることもありませんでした。

こうして春の光に包まれて花を見上げる幸せをかみしめました。

今日も私ごとで失礼いたしました。(_ _)

 

 

京都も桜開花しました

DSC_0018

昨夜、久しぶりに京都に帰りました。
鎌倉よりまだ空気が冷たい気もしますが、今日は京都の二条城の桜も咲き、開花宣言が出ました。
私は京都市内には行けませんでしたが、近くの河沿いの桜並木がぷっくりと可愛い蕾をつけていました。この辺りは市内よりいつも遅れて咲き始めます。
代わりに黄色い菜の花が元気に咲いているのを見つけました。

そして日が暮れてくると、東の山際がぼんやり明るくなってきて
やがて橙色の満月が昇り始めました。

春は空気がすこしもやっと湿気を帯びているせいか、
月の周りの空がうっすらオレンジに染まり、
まさに春のおぼろ月夜。
これで近くに桜が咲いていたら最高だな。。と思いながら、
ふと円山公園の大きな桜の老木を思い出しました。
最後にその樹をみたのは、もう8年ほど前になりますが、その木は、全身の満開の花を重そうに抱えながら、でも月の光を浴びて雄々しく気高く立っていました。
あの樹は今年もまだ元気にその美しい姿をみせてくれるのでしょうか。。

それではまた。

鎌倉の椿のお話もまた追ってさせていただきます。

IMG_5275

アロマとレイキと植物と

この春は鎌倉で一ヶ月余りを過ごしました。
その間に、仕事で気功レッスン、アロマセラピー、ヒーリング、東洋医学の講習会をさせていただきました。また気功の試験を鎌倉の生徒さんたちと共に受けました。気功のことはまた別のブログにさせていただきます。

短い期間ですが、アロマやヒーリングを受けに来てくださった皆様ありがとうございました。
特にこの春は、ほとんどのお客様にアロマ(ホットストーン)にレイキをセットでさせて頂きましたが、お客様から思いがけず嬉しいご感想を頂いたりもしました。私自身もレイキについての新しい気づきがありました。そしてお客様とお話する中で、またトリートメント中に感じた静かな感動がありました。
まだまだ心も技術も足らない自分ですが、これからも心を澄ませて、何かを感じ取り、それに的確なものを返していけるようになりたいと思います。

また今回は、ひどく打撲されたお客様がいらして、緊急でお作りしたブレンドオイルが、予想以上に効果を発揮してくれたという嬉しい出来事もありました。その後、私も重いドアに指を挟みかなりの痛みでしたが、その精油をつかって驚くほど早く治りました。自然は偉大ですね。。

DSC_0047 DSC_0053

精油といえば、3月の初めにふらりと江ノ島に立ち寄ったとき、植物のいろんな香りに出会いました。島に入ったとたん春の訪れを告げる沈丁花に迎えられ、頂上の公園では、黄色いヒイラギ南天からのジャスミンのような甘い香りに迎えられました。そして、枝も葉もほとんどなく完全に枯れたかのように見える楠がなぜか気になり近づくと、春の陽を浴びた樹皮から樟脳のようなクスノキの香りが漂っていました。自分は生きているよと私に言ってくれたのかもしれません。
1 DSC_0063
また北鎌倉のたからの庭のお掃除会の日のことです。シデコブシの花が青空をバックに白く輝いて咲いていましたが、その樹木を剪定した枝から、黒文字のようなスパイシーな芳しい香りがして、これもびっくり! 白い清楚な花と、そのインパクトのある香りがすぐには結びつきませんでしたが、「シデコブシは意外に黒文字と科が近いんだよ」という樹木医のみちくさ部長の言葉に納得。
人の気づかぬところで、ここでも植物の密やかな営みが行われていることを改めて知ったのでした。
シデコブシIMG_5233

アロマから植物まで、話が広がってしまいましたが、鎌倉での春の日々、
こうしてまた豊かな自然や人々と触れあうことができました。

新月と意識

_DSC2098

 

皆様こんにちは。

今日は新月。そして日蝕ですね。

あいにくのお天気で、日蝕を見ることはできませんでしたが、
おそらく大切な区切りの一日なのでしょう。

新月には、お願い事をするといいというようなことが良く言われますが、
それは何故でしょうか。

占星術家の岡本翔子さんは、
「太陽は顕在意識、月は潜在意識を象徴する。
その二つが重なるのが新月だから、その日は顕在意識と潜在意識が
融合しやすくなる。だから祈り(アファメーション)をすると良い」
といった意味のことをおっしゃっていました。

とても腑に落ちる説明かと思います。

私も、新月にアファメーションをすることが良くありますが、
でも、新月のころに自然に
何か気づきがあったり、区切りのようなものを感じることもあります。

いずれにしても、そのように天体の動きと自分の間に
何か関わりを感じていくことは、とても大切なことなのでしょうね。

余談になりますが、
昔、フランスに一人旅をしたとき、偶然皆既日食に遭遇しました。

憧れのナンシーのエミール・ガレの美術館に着いたとたん、
辺りが少しずつ暗くなり始め、皆既日食が始まりました。
夕焼けのような茜色を経て、薄紫の幻想的な空色になり、
太陽が三日月のように輝き、やがて
夜のような暗闇が訪れました。

騒いでいたフランス人も、無言になり、
皆で息を呑むようにその空を見つめていました。

しばらくして、細い線のように太陽の光が輝きはじめ、
空も薄紅色に染まりはじめ、
鳥がまた群れをなして羽ばたき、、
やがて明るい昼にもどりました。

忘れられない体験です。

皆様も新月のエピソード、いろいろお有りかもしれませんね。。

それではまた。

春の気と気功

20160226富士山

20160226寒緋桜20160226福寿草

 

今日2/26は快晴の稲村ヶ崎で気功しました。
いつものジオジオファクトリーですが、今日はあまりにお天気なので、
テラスに出て陽の光を受け取りながら最初の気功をしました。

春は気が立ち上ってくる季節で、気を感じやすいかと思います。
暖かくなって、手ももちろん感じやすくなりますが、
私は春になると(一月の終わりか二月くらいからよくそうなるのですが)
足の裏から、じんじんと気が伝わってくるのを感じます。
そうすると あ、春がくるなーと思ったりします。

え、ほんとー?と思った方は、ちょっと気をつけてみてください。
椅子に座って足裏をぺたっと床につけていると感じやすいかもしれません。

先日は久しぶりに、東京で導引養生功の本部の気功レッスンに参加して、
会長の張玉松先生の指導を受けました。手の動きや呼吸など、細かな注意点を教えて頂き
とても勉強になりました。今週末には先生の講習会に改めて参加し、3/20には検定試験も
受けます。今回は、初めて鎌倉の生徒さんと一緒に受験します。皆さん熱心に練習してくださっているので、きっと合格間違いないと思います♪

私のレッスンの方は、3月も引き続き、たからの庭や源氏山や由比ヶ浜で行いますので、
お時間、ご興味あるかた、ぜひお越しください。3月はいろいろな呼吸法もご紹介して参ります。