天への門? いきなり何?と思われたかもしれませんね。
頭のてっぺんには、天に続く門があると、昔の中国の人は思っていたようです。
その名前は天門。位置としては、百会という説が多いようですが、その1.5寸前の前頂を小天門といったり、顖会というツボも天門としている本もありました。
上の図をご参照ください。
(経絡図と人形、中国から連れて帰りました。)
(百会は両耳の上の端を結ぶ線と正中線が交わる所、赤ちゃんの頭でまだ柔らかい、解剖学的にいうと大泉門に当たるところが顖会です。)
これらのツボを通して、天の気が出入りして、天と繋がっている、だから天門。
ほんとかなーと思う方も多いでしょう。
私もはっきりしたことは申し上げられませんが、確かに気功や呼吸法などをしていると、百会や前頂、顖会のあたりがむずむずしてくることがあります。その近くの通天というツボも同じくです。(このツボも、”天と通じる”ですね)
そして実際、中国の気功の本には、この顖会穴や、百会、通天などを通して、天の気を取り込むとか、気を出し入れするといったことが書いてあります。
一方、地の気を取り込んだり、大地に気を流すときに使われる主なツボは・・・?
それは湧泉。足裏の上から1/3くらいの一番くぼむところ。
人の体は天と地の間にありながら、天の気と地の気が行き来する通り道にもなっている、ということです。まさに天地人。
そういえば湧泉ツボも、春が近づくころ足を地面に付けていると、地面から熱いようなジンジンするようなエネルギーが、湧泉を伝ってぐんぐん入ってくるのを感じることがあります。
皆様はいかがでしょうか。。
もともとそういう気の流れに、昔の人はとても敏感だったのかもしれません。
私たち現代の人間も、忙しい日常を少し離れ、心を静めると、その流れを感じることができるのではないかと思っています。
前々回の大同のブログにも記しました、私が習ったアメリカのエネルギーヒーリングでも、やはり、この百会と湧泉を使っていました。もちろんツボの名前は使っていませんでしたが、頭のてっぺんから天のエネルギーを入れて、足の裏から大地のエネルギーを少し取込み、それを体に流していく、、と教わりました。
顖会穴のある大泉門は、赤ちゃんが生まれたときは、骨がまだくっついてなくて穴が空いた状態になっていて、2−3才頃までに閉じる、と言われています。
赤ちゃんはまだ、生まれる前のことを覚えていたり、不思議な力を持っているとも言われ、でも成長につれ言語など後天的な知識がついてそれで外界とコミュニケーションをとれるようになると、その先天的な力が失われていく、という説があります。
これはまさに、生まれたての子供は、天とのコミュニケーションを簡単にとれているけど、その後、大泉門が閉じていくとともに、天とつながりにくくなり、代わりにこの世とのつながりを強めていく、とも言い換えることができそうです。
この流れを逆回しして、後天的に活性化させる脳を鎮め、”無心”になり、先天的な能力を呼び起こして、天や自然、宇宙とのつながりを取り戻そうとするのが、丹道であり、道教の中心にある考えであり、気功の根本なのではと思います。
今回中国で研修を受けているとき、この後天の意識と先天の意識の話が何度も出てきました。
そして、後天の意識を鎮めた”無心”の状態についても、いろいろな意見が出されました。ユング心理学の研究者の方も参加されていて、ユングの言う”集合的無意識”とは少し違うが、似ている、、といった考えも示されました。
ユングは、実際タオイズムにかなり影響をうけていたそうですし、このあたりのことも考えていくと大変深くて面白そうです。
今日もまとまらないままに、妄想を繰り広げてしまいました。
京都でもようやく桜が咲き始めました。
次回は美しい桜の写真をアップさせていただきますね。