京の秋分

皆様はシルバーウィーク、いかがお過ごしでしたでしょうか。

私はずっと京都で過ごしていました。
秋の美しい空に、真夏のような太陽が輝く毎日でした。

下の夕焼けは一昨日の晩です。
この夜は、思いがけず、家から花火が見えました。
去りゆく夏を惜しむかのようでした。

そして翌日の秋分の日、
刈り取り前の黄金色の田園風景を車窓から見ながら、
京都市内へ墓参りに行きました。

お参りと勉強会終わり、お寺の境内を歩くと、
秋を告げる桃色の藤袴の花が咲いていました。

この花は、実は現在準絶滅危惧種になっているそうで、
お香の松栄堂さんが保護育成をされており、
その株の一つが境内の美術館の前に置かれていたのでした。

美術館の中の華麗な琳派の絵とは異なり、
ほんとうに楚々としたお花ですが、
ほのかな甘い香りがして、可憐な姿にすっかり心奪われてしまいました。

松栄堂さんは、藤袴という名のお香も出していらっしゃるそうです。
きっとこのお花のような優しい香りがするのでしょうね。。

そういえば、お寺の床の間にも、光悦の秋の書の横に この藤袴が活けられていました。
聞けば、ご住職の奥様が、お庭で丹精込めて栽培されているとか。
これは栽培種で、原種はなかなかうまく育ってくれないのです。。とおっしゃっていました。

いにしえの京の人たちも愛したであろう、この可憐な姿とやさしい香りを
大切にはぐくみ、なんとか受け継ごうとしていらっしゃる京都の人たち。
こうした人たちによって、京都の文化が守られてきているのですね。。

余談ですが、先日、下鴨神社の特別拝観にも少し立ち寄らせて頂きました。

いつもは姿の見えない、本殿も間近に見ることができ、
また神に捧げるお供物を作る大炊殿、御薬酒に使われる薬草やカリンなどを育てている葵の庭など、拝見することができました。

その日も清々しい青空が広がり、
婚礼の儀式に向かう白無垢の花嫁さんの姿もありました。
(私事ですが、自分の親もここで式を挙げさせて頂いたそうで、
こんな姿だったのかしら、、とふと遠い昔の日を想いました。)

秋分の日が開けた今日は、
がらっとお天気が変わり、朝から雨。。

天に住まう亡き人たちとの挨拶の時が終わり、
季節が移ったのだな、、しみじみ感じました。

隣町の母の里から、親戚が、
刈り取りを終えたばかりお米を、手作りのおはぎとともに届けてくれ、
秋の実りを美味しく頂きました。

京の秋はこれから、どんどん深まっていくことでしょう。

(今日も たわいないお話で失礼いたしました。)

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